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桜プロジェクト「派遣切りという弱者を生んだもの、第2弾」その参

桜プロジェクト「派遣切りという弱者を生んだもの、第2弾」その参

キャスター;前田有一氏
コメンテーター:井尻千男氏
ゲスト:池田信夫 教授

間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。発言が重なっている場合など、極一部に聞き取れない箇所がありますが、ご容赦ください。

(テキスト中は敬称略、長い部分は適宜段落をつけました)

池田信夫

「いいや、そんなこと全然ないと思いますよ。」

井尻千男

「いいや、ありますよ、それは。それ以前の日本の株式相場、あるいは会社の経営って言うのは、不景気の時にも、ね、余った労働者を一所懸命抱えながら、ね、次の事業展開のために、何年間かそこで、このー福祉的なね、配慮をしていくってことは..」

池田信夫

「いや全く、それはもう事実認識が間違っていますね。」

井尻千男

「いやいや、日本的には..」.

池田信夫

「それはね、今までもやってたんです。日本の企業は。」

井尻千男

「やっていたんだね。今までは。」

池田信夫

「今までにも不景気の時には、雇用を切ってたんです。それはどういう形で切っていたかって言うと、いわゆる下請けを切っていったのですよ。分かりますか?つまり、日本...いわゆる日本的にね、企業システムが美しいってみんな言う人が多いけども、その雇用のバッファになってたのは下請けなんですよ。」

池田信夫

「ね、例えば、トヨタならトヨタが、そのー下請けのまあそのー、パーツメーカーを持ってるとしますね。そうするとトヨタの所有にしないと  切れませんよ。でもトヨタのそのー、季節工は切るだろうし、それから下請けをいつでも切れる訳ですよ。下請けってのは全く対等な契約関係ですから、あのー、やめさせよう、下請けの雇用ってのは下請けの契約を切ったって労働基準法に引っかかりませんからね。だから今までは、下請けを切ってたのが派遣なりそのー非正規労働者に変わっただけなんですよ。本質的には何も変わっていないんですよ。」

井尻千男

「それはまあ、あのー、そういう言い方もあるけども。下請けも我慢する。ね、親請けの方も我慢する。一種の我慢のシステムがあったってことは事実なんだよ。日本的経営ってのは。そりゃ事実、大局的に言えば下請けを切ったっていうことは言えるよ。言えるんだけども、そうは言っても、それも親から孫まで我慢しながらね。労働者を出来るだけ切らないでいたということを、こりゃ認めなきゃ日本的経営ってのは言葉だけの話になっちゃう..」.

池田信夫

「いやあ、それはね、日本的経営をそのー、建前で理解するからそうなるんで、現実のあのー、雇用情勢を見れば分かるようにですね。そのー、景気が悪くなったら、そのー、あのー何て言いますか、そういう親会社ってのは、こうあのー、下請けとか中小を切ることによって、いわばそのー、それを雇用のバッファにしてきたんですよ。で、それは勿論ね、それは全部..」.

井尻千男

「論理的にはそう..」.

池田信夫

「100%してきませんよ。100%切らない。100%切るところをまあ半分とか3分の1にするかもしれないけど。基本的には、そのー正社員で、一生終身雇用の大企業とそれから不安定雇用なり不安定な契約をしてる中小企業なりの2重構造、戦前からね,ずっとある訳ですよ。」

井尻千男

「2重構造、戦前からずっとある...うん..」.

池田信夫

「で、それは、必ずしも、あのー悪いことではなくてね。」

井尻千男

「悪いことではないんだから...」

池田信夫

「そのー、逆にそのー、バッファになってる人たちってのは、景気のいい時はその人たちが一番儲かるんですよ。あのー、これは一般に知られていないことなんだけど、いわゆる下請けとか零細・中小企業ってのは景気がいい時は、あのー、さっきの株主資本利益率なんて親会社の倍ぐらいあるんですね。つまり、彼らはハイリスク・ハイリターンで仕事してるんですよ。」

池田信夫

「だから、仕事...こういう、景気が悪くなったら切られても大丈夫なように下請けも中小企業もみんなそれなりの準備...あのーいわば、それをさっきの内部留保のような形でですね。自己資本を持ってる訳で。それはもう、日本が戦後の仕組みの中で、ある程度、そのー、何て言うかな。いわば、セーフティ・ネットみたいなものを中小企業の世界ではある程度作り上げてる。」

池田信夫

「で、問題は、この今度出てきた派遣とか非正規労働者ってのは一挙に増えちゃったもんで。それに対するそのー、セーフティ・ネット...社会のセーフティ・ネットうまく貼られてないんですよ。だから、そのー、まあ湯浅誠さんなんか滑り台社会って言うけれど。いっぺん企業を切られるともう全く救いの無い状態になってしまう。」

池田信夫

「で、それに対して、セーフティ・ネットをね。ある程度作んなきゃいけないという、そのー、湯浅さんたちのあのー、主張、僕はそれは...それ自体としては正しいと思うんですね。ただし、それはもう応急処置、つまり、こう切られた人をどうするかっていうことは、勿論必要なことなんだけれども、その人たちをそのーなんて言いますか、社会的に救済したところで、さっき申し上げた根本的に雇用機会が増えない限りは、そのー、生活保護で(聞き取れず)戻れない。ね、生活保護を永遠にもらうってのは彼らにとってちっともいいことじゃない訳でしょう?」

井尻千男

「そこで、内需拡大論を今やってる訳だわね。」

池田信夫

「結局はやっぱり経済が立ち直らないことには、いわゆる雇用問題なんてのは、それ自体が解決出来ないんですよ。」

井尻千男

「うん。」

前田有一

「まあ、そのー、以前のですね。そのー、雇用のバッファというおっしゃいましたけれども、そのー、(聞き取れず)ねえ、まあ系列の中で下の方から切られると。まあただ、それはハイリスク・ハイリターンだと言いましたけれども、今の派遣はハイリスクだけど全然リターンないですよね。」

井尻千男

「ハイリターンじゃないからね。」

池田信夫

「(聞き取れず)そうです(聞き取れず)」

前田有一

「どんどんひどくなってると、僕は思うんですけれども。」

池田信夫

「それはね、あのー、僕はそのー、派遣村の人たちの問題提起はある意味ではね。あのー、いいとこついていると思うのは、さっき申し上げたように、そのー、日本の企業システムってのは、そのー、いわゆる中小企業・零細企業のネットワークってのは非常に発達していてですね。で、まあ要するにそのー、大田区の町工場みたいなとこってのは、あのー、こういう時になったら悲惨だ悲惨だってみんな言うけど、実際にはちゃんとね、お互いにこう、助け合うシステム出来ている訳です。」

井尻千男

「我慢しあってるんだなあ.」.

池田信夫

「社会的に出来ている訳です。で、それはそのー、まあ戦後半世紀以上の歴史の中で、そのー、セーフティネットを作ってきた訳。ところが、今の派遣と言われるような新しいタイプの非正規労働者ってのは、そういうそのー、社会的ネットワークを持ってない。それはだからあのー、湯浅さんの指摘が正しくって、だからそのー、何て言いますか、彼は多面的な言い..まあ、言葉を使いますけども、そういうそのコミュニティーみたいなものを全く持ってない。」

池田信夫

「全くそのー、砂粒のような孤立した労働者になってるから、首になったら、もうさっきのインタビューに出てきた人みたいに、もうホームレスになるしかない。だからそれをそのー、コミュニティーみたいなのを作ってそのー社会的なセーフティネットを張らなきゃいけないっていうことは、正しいんだけれども、そりゃ生活保護では全然そういう意味でのセーフティネットにならない訳ですね。」

前田有一

「今はそれしかね、偶々ないからね。もうちょっと早い段階でなんか方法がないのかなと思うんだけれど。」

井尻千男

「池田さんはさて、今の現状を見ながら、どう提言をしますか?」

池田信夫

「あのね。僕はもう、一番まずやらなきゃいけないことは、最初のそのー、非...この問題の一番根本的な原因は勿論、経済がね、こんだけなっちゃったってことなんですけど。」

池田信夫

「もうひとつの問題は、そのー正規社員の保護が強すぎると。しかも彼らが非常に高い給料をもらってると。で、まあ例えば僕は昔NHKに勤務してましたけど、僕と同じ同期ぐらいの同僚...元同僚がですね、大体NHKだったら今地方の局長ぐらいなんですね。そうすると、まあ大体年収1,500万から2,000万の間ぐらいだと思うんだけど。局長なんてまあ、(聞き取れず)一日仕事なんかしてない訳。地方の局長なんて。(聞き取れず)も何もないしね。まず地方の...NHKの地方局なんて,東京から流れてくる番組に出すのがメインであと1割ぐらいね。」

井尻千男

「まあ、NHKはちょっと例外的だけどなあ。」

池田信夫

「まあね。」

井尻千男

「あそこはね。」

池田信夫

「いや、でももっとひどいところあってね。天下りとかいわゆる渡りとかね。まあ、官僚なんかもう何にも仕事ない、一日..」.

井尻千男

「うん、だから、いや、仕事は...官僚とNHKはちょっと別にして民間でいかないとね。話が混乱しちゃう。」

池田信夫

「民間もおんなじですよ。民間もいわゆる社内失業してる人たちがね。50代ね。なんかそのー、窓際で新聞を読んでて年収1,500万 2,000万もらっている人はいっぱいいる訳ですよ。その人たちが(聞き取れず)2,000万で遊んでいるのを僕はノンワーキングリッチて呼んでるんですけど。その人たちが年収2,000万もらってて派遣が200万て言うのね。そのノンワーキングリッチの、あのー、給料をですね、派遣と同じにしたら派遣9人分の雇用創出されるじゃないですか。」

前田有一

「はっは、それは...」

池田信夫

「つまりね、問題は、いや、今の話は極端だけども。要するに日本の終身雇用の中で守られてきた正社員が今の50代以上のね、僕の年代ぐらいの典型ですけど。そういう人たちがもう職を失ってるのに、仕事がないのに給料はどんどん右肩上がりの高度成長の時のままの給与体系で、まあさすがに50代は少しね、もう頭打ちになってるけど。それでも1,500万とかもらってる訳ですね。大企業だったと。」

井尻千男

「それ、だけど、いざ、そのー、ね。もらってる奴たちの給料を仮に半分にしたら、新たな、なにか需要、あのー、雇用出来るんですか?」

池田信夫

「あのね。僕はまず政治的にあのー、改革としてあのー必要な、可能だと思うのは、そのOECDのあのー、勧告も言ってますように、正社員の雇用規制を緩和しなさいと。そのー、雇用...今の正社員の、あのー、雇用規制ってのは労働基準法で守られてるってことと。」

池田信夫

「もうひとつは裁判で、そのー、整理解雇の4要件ってのが、まあ判例で出来ちゃっているのですね。もうよほど、そのー、何て言うか、無茶な、あのー、何て言うかなー、あのー、非常識な状態でない限りは、そのー、解雇してはいけないという風に、もう、まあ、要するに、もう解雇する要件が非常に厳しくなっている...来ちゃってる訳ですね。」

池田信夫

「それが、もう法律と判例で事実上解雇が出来ない状態になっているために、企業の側から見ると新たに雇う時に、正社員を雇おうと思ったら例えば生涯賃金1億かかると。まあ派遣だったら、て言うかあるいは非正規社員だったらまあそれは5,000万で済むっていうか。誰が考えたって5,000万取りますよね。だから一番、あのー、端的に言えば、正社員が、そのー、まあ一応生涯賃金1億だとすれば、それをまあ言葉は悪いけれども、非正規社員と揃えるべきか。せいぜい言えば両方7,500万というのが一番いいけど。

井尻千男

「それをやれば、雇用機会が倍になるのか、ならないのか?」

池田信夫

「倍..」.

井尻千男

「ならない。」

池田信夫

「あのー、文字通り倍にはならないと思いますけど。要するに今大きな問題になっているのは、そのー、正規...正社員を守り過ぎるが故に、非正規社員の雇用が増え..あのー、需要が増え続けてるので、その需要を、そのー、非正規社員でしわ寄せを防ぐためには、正社員のそのー、特に解雇規制を緩和しなさいと。削減しなさいと。いうことをOECDは去年、対日審査報告の中で言っている訳です。OECDってのは、さっき申し上げた28ヵ国のね。世界の各国が集まって、そのー、各国の政府に対して助言する訳ですね。」

池田信夫

「で、ところが、厚生労働省はそのOECDの助言を一切無視して、逆にね解雇規制をどんどん強めて、そのー、日雇い派遣の禁止するとかね。今度はまた製造業まで禁止するとかっていう風に、枡添厚労相言ってますけど、OECDが言ってる、つまり普通の欧米諸国が言ってる常識と逆のことをね。日本政府はやってる訳です。」

井尻千男

「うん、確かにその問題はある。しかしね、OECDはじめね、そのー、グローバル・スタンダードというものを追求することがいいのか、ね、そう、それを超えた日本的システムを構築するかというね。そういう選択の中で我々は悩んでるんで、OECDがどういう...うん,そう」

池田信夫

「そのー、それを超えたものって何ですか?」

井尻千男

「うん。だからそれを今..今まで日本の近代の産業社会は考えてきた訳だよ。」

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